
診療科のご案内

診療科長よりご挨拶

緩和医療科・緩和ケアセンター 科長/センター長
医学研究科 人間健康科学専攻 准教授
嶋田 和貴
社会の高齢化による医療・介護・ケアのニーズの変化に加えて、各種の疾患治療法の発達で病気と共存しながら生活を営むことが一般的になりつつあります。その変化が急速であり、医療・介護分野の内部や周辺で、従来は想定されなかった様々な課題が勃興しています。本邦の緩和ケアは海外同様に、死に瀕した患者さんへの組織化された支援から始まり、その後世界で唯一、国民皆保険で誰もが受けられるがん診療の一分野として発展した特徴があります。その歴史には、抗がん治療のみでは対応できない様々な個別性に富んだニーズに応えようと努めてきた知恵の蓄積があります。それらの先達から受け継がれた知恵は、最近の新しい課題に対する一定の解決策になり得ると考えて、日常の診療に励んでいます。
一方で、先達の知恵を受け継ぐだけでなく、人工知能関連技術などの新規技術を応用して緩和ケアの発展を目指すなど新しい試みにも積極的に取り組んでいます。
また、当科を選択される研修医の先生は、将来の開業など大学にありながら様々なニーズを持っているかと思いますので、各人に合わせた教育方針をできるだけ心がけています。